痛みと苦しみを食べる。

ガイアパシフィックセンター

私のハワイのお父さんとお母さんの家にはアインシュタインの言葉が飾ってあります。

 
“Nothing will benefit human health and increase chances for survival on earth as much as the evolution to a vegetarian diet.” Albert Einstein
 
訳してみると「菜食への進化ほど人間の健康と地球の存続を向上のための利益になるものはない。」という感じでしょうか。ビーガン(完全菜食主義者)のおふたりならではの言葉ですよね。実は彼らがビーガンになった理由は健康のためそれから動物虐待に反対するということはもちろんですが、環境に配慮してのものでもあるのです。
ガイアパシフィックセンター
畜産業による環境破壊がとても深刻ということはお父さんからよく聞かされていましたが、肉食になれている私にはとても目を向けるのが難しい事実でした。最近、健康上の理由で食事に気をつけなければならなくないり、何度も聞かされていた話ですがもう一度きちんとハワイのお父さんに聞いてみました。
 
二酸化炭素
人間に起因する二酸化炭素の排出の5分の1は、畜産業によるものです。

メタンガス
メタンガス1トンは二酸化炭素23トン分の温室効果作用をもっています。

そのメタンガスの年間排出量の16%が反芻動物のゲップによるもので、5%が家畜の糞尿からです。

牛は現在世界で13億頭いますが、牛1頭は年間約75kgのメタンを排出します。地球全体で、牛によるメタンガス発生数は一日 (B150兆クォートだそうです。
 
エネルギー消費
家畜の飼料用の穀物生産のためにトラクター、コンバイン、軽飛行機などの燃料のエネルギーが大量消費されます。アメリカでは1kgの肉を作るのに、7.58リットルのガソリンが必要です。

家畜を集約的かつ閉鎖的な畜舎で育てますので、そこでは冷暖房や24時間人工的な明かりを必要とするため、ここでも電気を使用します。


森林破壊
過去40年間で、南米の熱帯雨林の40%(1750万ヘクタール)が輸出用の牛肉を生産するために破壊されたそうです。目の前の利益のみを追求し、伐採して放牧に使えば、一時的利益は得られてもその後その場所は経済価値を生み出さない地域になってしまうのです。
 
土壌浸食
森林や草原を破壊した後、放牧が行われることにより土壌の侵食が起こります。

家畜の放牧地になった土地は、単一種(家畜)のみが存在する土地と変化します。
その土地は、家畜の過放牧により植物は食いつくされ、次第に侵食されます。

牛の糞は水分が非常に多いため窒素をすぐに空気中に放出してしまい、土にほとんど還ることがなく、そのまま固形化します。
 
河川汚染
アメリカで家畜が排出する糞尿は年間約6千万トンにものぼり、その糞尿が流出し、川や地下水を汚染しています。
 
もちろん畜産業が環境に与える影響は非常に大きいのですが、人体や他の動物に与える影響も身の毛がよだつものがあります。
 
有害微生物
家畜の糞尿にいるリンと窒素を食べるフィエステリア・ピシシーダという微生物は、人間もしくは他の動物を死に至らしめるほど有害なのですが、畜産業はそれを繁殖する手伝いをしているということになります。ノースカリフォルニアのネウセ川では1991年の1年だけで、この微生物によって10億匹の魚が死んだそうです。
 
糞尿
家畜が排出する糞尿は皮膚感染症や吐き気、うつ病を引き起こし、ひどいケースでは工場式畜産場の近所では死者がでたこともあります。
 
抗生物質の投与
アメリカでは年間に約2万5千トンの抗生物質が生産さていますが、その40%の約1万トンは家畜に与えられます。この1万トンのうち80%の8千トンは成長促進のために使用され、残りの20%は貧血、インフルエンザ、腸の病気、子宮炎、肺炎等の病気予防に使われます。
 
とても非衛生な環境に閉じ込められて育てられた不健康な抗生物質漬けの家畜を私達は食べているのですが、その結果人間は抗生物質に対して免疫ができてしまい、病気になった時に、抗生物質を処方されても、すでに免疫ができているため病気の治療に効かないとのことです。
 
この問題に直面するのを避けていた私ですが、自分の食生活を見直さなければならなくなった今、改めて環境保護のためにゴミも出さないようにするのはもちろんのこと、それ以前になにを食べるのかもしっかりと考えなければならないと思うようになりました。
 
ハワイのお父さんとお母さんはよく言います。
「お肉を食べてる人達は反人道的に殺されていく動物たちの痛みと苦しみを食べて、その痛みと苦しみを体の中に貯めているんだよ。」
 
ハワイのお母さんの作ってくれたベジタリアンサンドイッチを食べながら、菜食主義になるということは地球にやさしく、動物にやさしく、そして自分にもやさしくするということなんだなあと改めて勉強させていただきました。
 
 
(参考)
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One thought on “痛みと苦しみを食べる。

  1. 友人の多田克彦さんは、岩手県遠野で自然農場を営んでいます。
    そこで育つ牛たちの糞尿は、多田さんの長年の「水と土と微生物と発酵」の研究の成果で、良質の堆きゅう肥に生まれ代わっています。そして、ほうれん草やトマトをはじめ多田自然農場自慢の美味しい有機野菜生産の力になっています。
    畜産農業も創意工夫次第で地球生態系の循環に貢献できることを、多田さんは1980年代後半から人生をかけて実践しています。
    多田さんのウェブサイトをご紹介します。
    http://www.echna.ne.jp/~katuhiko/soybeanProducts.html
    PS: ところで、2年ほどまえに話題になったドキュメンタリー映画「FOOD, INC.」は見ました?

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