『お買い物が世界を変える』

『お買い物が世界を変える』
by ムナカタケン

ガイアパシフィックセンターの勉強会、第2回目のテーマは『ゴミはどこから来るのか』です。私たちが日々排出している一般ゴミにフォーカスし、一体ゴミはどこからやってくるのか、『ゴミとは何か?』という基本的な出発点から考える事にしました。

一般的に言うゴミは、一般廃棄物(一般ゴミ)と産業廃棄物の2つに分類する事ができます。一般廃棄物とは、家庭や会社で発生する紙や空き缶、空き瓶、生ゴミ、衣類ゴミであり、私たちの生活に密着したゴミと言えます。一方、企業の生産活動において発生するゴミを産業廃棄物と言います。オイル、石炭の燃えかす、木、紙、プラスチック、ガラス、金属などが産業廃棄物にあたります。ゴミが発生する場所によって分類されているのです。廃棄物の80%以上が産業廃棄物で、一般廃棄物を生産する為に発生する廃棄物でもあります。

私たちは日々の生活でたくさんのゴミを出しています。私たちが住んでいるハワイ州・アメリカ合衆国は、一般廃棄物の排出国世界第1位で、国民一人当たりのゴミ排出量も世界第2位です。大量の商品が消費され、それと共にたくさんのゴミが排出されている国家です。そのゴミの多くは、包装材や梱包材として商品と共に購入しています。包装材・梱包材は、家に持ち帰るとすぐにゴミとなってしまうものがほとんどです。私たちが購入したお金は生産した企業へもたらされ、その企業は消費者の為にさらに生産数を増やし、商品とゴミを生産する事になります。私たちの日々のお買い物は企業への投資であり、知らず知らずにゴミを生産させてしまっていると言っても過言ではありません。

ゴミ問題を中心とした環境問題をできる限り軽減させる為に、商品のリサイクルやリサイクル製品の奨励など、各国で持続可能な社会作りが盛んに行われています。優れた商品を手にすると同時に、環境に配慮せず横着やコストを重視した製品を生産する企業を自然淘汰し、ゴミ問題に限らず地球の健康に関わる環境問題の解決策でもあります。オーガニックの製品やリサイクルされた製品は、手作業だったり生産に時間がかかるため既存の製品に比べ価格は割高です。しかし、こういった地球環境に配慮した製品を購入する事は、私たちの生活に本当の意味での潤いを与え、地球と共存していくという社会に対する意思表明でもあります。同時に、健康で美しい地球を維持し、将来を担う子供たちへ繋げることであり、さらに優れた製品を届けてくれる事を願う企業投資でもあるのです。

このような環境に配慮した製品による経済活動活発化の根源に『お買い物の質を考える』という原始的なセオリーがあることにあらためて気付きます。それは安価であったり便利あれば何でもいい、と言うものではなく、安全で優れた商品が欲しい、丈夫で長く使える商品が欲しいという、忘れかけていた基本的なお買い物の姿勢です。物が溢れているこの時代に、私たち自身が『お買い物の質』というフィルターを持つ事や、一度手にしてしまったある種の快適さをリセットすることは容易な事ではないかも知れません。しかし、健康な地球があってはじめて経済活動や私たちの生活が存在する、という原点に立ち返る必要に迫られているのです。よりシンプルで持続成長可能な生活を求める事は、時代に逆行する古い考え方ではなく、機能的で無駄を排した、新しい価値観を持った環境問題の解決策なのです。

(初版)2011年7月11日 @ 20:00
(改編)2013年9月13日 @ 10:00