ラムサール世界湿地帯の日 | Ramsar World Wetland Day

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1971年、イランの小さな町ラムサールに各国の代表者が集り、ウェットランド(湿地帯)の自然破壊を阻止し、そこに生息する動植物を中心とする天然資源を保護しそのエコシステムを守っていくために世界規模で協力体制を取る、という条約が結ばれました。以後、この条約はラムサール条約やラムサール・コンベンションと呼ばれ、 2005年、ハワイ州カイルアにあるカワイヌイ・ハマクア・マーシュ(湿地帯)も米国で22番目の保護地として認められたのです。

今日現在、158カ国がこの協定に参加し、世界1,832カ所の湿地帯(計170ミリオンヘクタール)がその対象として指定されています。ちなみに英国が166ヶ所で最多数、メキシコが112カ所、オーストラリア65カ所、スペイン63カ所となっており、米国は24カ所、日本は37カ所となっています。




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今年2月16日は、ラムサール・ワールド・ウェットランド・デー「ラムサール世界湿地帯の日」でした。当日、カワイヌイ・ハマクア・マーシュの保護と管理に力を注いでいるNPO「Ahahui Malama I Ka Lokahi」(代表、カメハメハスクール Dr. Charles Burrows、 www.ahahui.net)が中心となって、カワイヌイ近隣公園で湿地帯見学を計画していましたので、GPCも早速参加してみました。
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さわやかに晴れ上がった気持ちのよい日で、州や市、そして最大の協力団体であるArmy Corps of Engineers(米陸軍エンジニア協力隊)からのスピーチのあと、小さなグループに分かれ、Dr. Burrowsや他のボランティアから、そこに生息する鳥類やハワイのネイティブプラント(外来ではなく、ハワイに元からある植物)に付いて、そしてこれからの計画について説明を受けました。その説明を簡単にご紹介します。

250万年前のコオラウ火山の爆発のあと浸食が進み、カイルア側、22エーカー以上に及ぶカワイヌイ・ハマクア・マーシュの辺り、および30エーカーのカエレプル・マーシュ(ケオルヒル/エンチャンテッド・レイク)の辺りは海面下となりました。3,000年前頃までには天然のサンドバー(砂山)が築かれて海水がせき止められ、紀元前200年には淡水のラグーンとなって、ハワイの人々はそこをフィッシュポンドとして利用していました。現在は広範囲に渡って浮遊する植物で覆われていますが、深いところでは60フィート(18m)にもなり、渡り鳥や絶滅の危機に襲われている水鳥の生息地となっています。

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またDr. Burrowsのグループや他の保護団体は、ボランティアと一緒にマーシュのエコシステムを守るため、外来の植物を取り除き、Kokioなどに代表されるハワイのネイティブ・プラントを植樹し、その維持管理に努めています。カワイヌイ・ハマクア・マーシュへの入り口のひとつであるカハ・パークはきれいに整地され、散歩道や自転車道もあり、週末の散策には最高です。

ボランティアに興味のある人は、ahahui@hawaii.rr.comか595-3922へご連絡ください。GPCにご連絡をいただければ、こちらで取り次ぐお手伝いもします。(レポート:バーンズ 久美子)

ラムサール・コンベンションについて
http://www.ramsar.org/index_keycs.htm

外務省”ラムサール条約”
http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/gaiko/kankyo/jyoyaku/rmsl.html